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第2章 エリニコン西空港

*注意* アテネは2001年春に新空港が開港しました。
現在国際線・国内線共に新空港発着になっています。

>エーゲ海周辺図(別ウィンドウで開きます)
 目覚ましの音で目を覚ます。なんか全然寝た気がしない。
 両親はすでに起きていた。父が言うには、「根性で目覚ましが鳴る前に起きた」との事。単に時差ボケで目が覚めただけじゃあないか?

 カーテンを開けると、外はまだ真っ暗。しかし車は結構走っているし、向かいのビルのオフィスには人がいる。ギリシャの人って、なんて早起き。
 
 6時にホテルをチェックアウトして、呼んでもらったタクシーで空港へ。
 「何時の飛行機だ?」
 「8時のティラ(サントリーニ)行き。」
 「よし、まかせとけ!」

 タクシーはどんどん加速。渋滞こそしてないものの、かなりの車が走っている中をすり抜けるという、スリリングな走り。
 ・・・充分間に合うから、お願いスピード落としてー!

 まもなく右手に海が見えてきた。海岸沿いの旗がバタバタとはためいていて、結構風がきつそう。サントリーニへ向かう飛行機はプロペラ機。風が強いと、すぐ欠航する聞く。
 ちゃんと飛行機は飛ぶだろうか?・・・と思っていると、プロペラ機が1機、頭上を横切っていった。よかった、飛んでいるらしい。

 ホテルを出て約15分ほどで、エリニコン西空港の国内線入口前に到着。料金は1100ドラクマ(約440円)。
 モニターで時間を確認。サントリーニ行きは8時出発が9時出発に変更になっていた。せっかく早起きしたのに・・・。とりあえずチェックインする。

 カウンター前のベンチにはバックパッカーが5、6人、バックを枕に寝ていた。
 そしてど真ん中の床には、元は白かったのであろうが今はグレーの大きな犬が1匹、体を横にして平和そうに寝ていた。すぐ横を人やスーツケースが通ろうとも、まったくピクリとも動かない。首輪をしているので、どうやら飼い犬らしい・・・。

 さて出発まであと1時間半。とりあえず朝食をとろうということになり、カフェかレストランを探しに国際線ロビーの方へ行ってみた。しかしそこには立ち飲みのカフェスタンドぐらいしかなかった。スタンドでサンドイッチ(食パンに挟んだものと、クロワッサンに挟んだもの)と、チーズパイ(焼きたて)を買う。
 銀行があったので、島ではレートが悪そうなので先に両替をしておくことにした。レートは1円=2.53ドラクマ。コミッションは1000ドラクマ。しまった、昨日の両替、1万円だけにしておけばよかった。
 国内線ロビーへと戻り、出発ゲートへ向かうためセキュリティーチェックへ。

 セキュリティチェックを通った先にある国内線のゲートはぼろく、空港というより、片田舎のバスターミナルの待合所といった感じの所だった。朝早いためか、乗客の姿は待合室全体でも10人ぐらいしかいなかった。
 搭乗券に書かれたゲートの所に行くと、まだ"Santorini"という表示もでておらず、別の島行きが表示されていた。

 出発ゲートは地上階にあるので、扉のすぐ先は駐機場。外にはオリンピック航空の飛行機が、何機か停まっていた。どれもプロペラ機で小さく、中にはセスナのように小さいのもあった。
 妹「あれに乗るの?」
 私「たぶん。」
それを聞いて顔が引きつる、飛行機嫌いの妹。

 ゲートの開けっ放しの扉の外に見える空は、小さな雲が2つ浮いてるだけのいい天気。お日様がさんさんと照っていて、寝不足の目には眩しかった。

 こっちにもさっきサンドイッチを買ったのと同じようなスタンドがあったので、こっちに来てから買えばよかったと思った。カプチーノをそこで買い、さっき買ったサンドイッチなどを食べる。クロワッサンサンドは美味しく、食パンサンドはふつう。チーズパイは、パイの部分は熱々でおいしいけど、中のチーズはかなり癖があった。

 徐々に待合室の人の数も増えてきた。団体も何組か入ってきて、席がなくて立っている人もでてきた。日本人の団体さんもやってきた。ミコノス島へ行くらしい。サントリーニ行きのゲートの前のソファーでは、新婚さんらしき日本人が、二人でガイドブックを見ている。

 やがて8時50分、出発10分前なのにまだゲートにサントリーニの文字が表示されない。出発便案内のTVモニターを見に行くと、ちゃんと9時出発でゲートも合っている。
 父が「ちょっと聞いてくる」と言って、別のゲートにいる空港係員の所へ行ってしまった。
 「ここでいいって。」
本当か?父はギリシャ語どころか英語も話せないだが・・・・。
 
 9時10分頃、ようやくサントリーニ行きのゲートに係員がやってきた。それから10分後やっと搭乗開始のアナウンス。ゲートの表示もやっと"Santorini"に変えられた。

 バスに乗って飛行機へ。双発のプロペラ機で、操縦席の下側面にギリシャ文字で「ヘロドトス」と、その機体の名前が書いてあった。
 座席は通路をはさんで2席づつ。窓がものすごく汚い。翼が窓より上についているので、どこに座っても眺めは良さそうだ。
 
 全員搭乗完了しても、なかなか出発しない。10時になって、やっと動きだした。

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