Koshin一家のギリシア探索記１

第１章　出発

　１９９９年３月のこと。父が「どこか海外に連れていけ」と言い出した。
　私「何処へ？」
　
　前の年はイタリアに行った。今度は別の所がいいと言う。ＮＹ、ラスベガス、イギリス、スイス・・・いろいろ案が出たが、「治安が良くて、景色の良いところ」という母の意見で、結局決まったのがギリシア。

　父と私の仕事の都合で、時期は４月のＧＷ前に決まった。あと１ヶ月しか無いやん。急いで航空券を手配。
　ギリシアは、私は学生時代に訪れているので今度で２度目。しかし前回はバックパッカー。さすがにその時のトイレ・シャワー共同の宿じゃあ、両親・妹から文句が出るので、ニフティサーブのフォーラムやら、そこで紹介いただいたＨＰなどでいただいた情報を元に、FAXやメールでホテルの手配をする。（皆様、その節はお世話になりました。）

　そして出発の日。

　関空発のスイス航空（ＳＲ）は、満席状態。子供連れも多かった。座席にはヘッドレストもフットレストもついてて、とても快適。機内食もおいしいかった（ハンガリー風シチューか和食だった）。機材はＭＤー１１。

　ほぼ定時どおりに、雨降りのチューリッヒに到着。
　免税店をちょっとぶらぶらして、搭乗開始時間にゲート前に来ると、アテネ行きは３０分遅れになっていた。ただでさえアテネ着の定刻が２４時だというのに・・・。
　定刻より３０分後に搭乗開始。しかし搭乗後もなかなか出発しない。結局搭乗から３０分後に、ようやくゲートから動き出した。

　離陸後しばらくして、機長のアナウンスがあった。
「強い風のせいで出発１時間遅れたけど、跳ばすから、定刻の２０分遅れで着けるよ。」
・・・・本当か？

　機内食はチキンのシュニッツェル。こんな短い区間でも、パンを暖めて出してくれるのが嬉しい。
　やがて飛行機はイタリアの上空を通過して、ブリンディシの先ぐらいから左へと曲がった。モニターに映しだされる現在地表示に、デルフィとかコリントスの文字が現れ、ギリシアにやってきたんだなあと思う。

　飛行機は高度を下げ始めた。下にはサロニコス湾沿いの街の灯りや、湾に浮かぶ船の灯りが見える。風がきついのか、機体が弾むように揺れる。そして着陸。
　機長の言ったとおり、本当に定刻の２０分遅れで、アテネ・エリニコン国際空港に到着した。すごいぞＳＲ。

　ドアが開きタラップにでると、ものすごい風が吹いていた。明日の朝のサントリーニ行きの飛行機、ちゃんと飛ぶかとすごく心配・・・。

　入国審査を終え、荷物のピックアップは親にまかせて、私は両替所へ。とりあえず円T/C２万円分を両替。レートは１円＝２．４９ドラクマ。コミッションを５％も取られていた。

　空港ビルを出て、「タクシー」と声をかけてくる白タクのおっちゃんたちは無視して、標識にしたがって、正規のタクシー乗り場へと向かう。そこは長蛇の列・・・。風の吹き付ける中、２０分ぐらい待つ。乗り場にはタクシーの運賃表があり、深夜早朝料金のことやら、空港乗り入れ代やら、スーツケース代などの事が、細かく記載されていた。

　やってくるタクシーは、トヨタとベンツが半々ぐらい。
　「どうせ乗るなら、ベンツがええなあ」
しかし私らの順番にやってきたのは、トヨタのコロナだった。
　トランクにスーツケースを積み込み、タクシーに乗り込む。
　「ロイヤル・オリンピック・ホテルまで」
ちゃんとメーターを動かしているかチェック。

　車は空港の敷地を出て、広い道へ。道沿いには「TOYOTA」とか「Fujitsu」やら「mita」などの、日系企業の看板も見られる。
　タクシーのおっちゃんが、「これトヨタの車なんだ。日本車はいいねえ」という。さっきまで「トヨタ来んでいい、ベンツ来い」と言っていた家族一同は、苦笑い。とりあえずありがとうと言っておく。

　空港を出てから１５分ほどすると、前上方にライトアップされたアクロポリスの丘が見えてきた。それを見て母曰く、
「あらー、ギリシャってあんな丘の上にも遺跡があるのねー。」
・・・お母様、あれがギリシャで一番有名な遺跡なんですけど。

　オリンピア・ゼウス神殿も見えてきて、まもなくホテルに到着。メーターは１８００ドラクマだったが、空港からと言うことで、請求は２３００ドラクマ（約９２０円）。

　ホテルにチェクインして部屋へ。すでに時間は午前２時すこし前。明日は８：００発の飛行機だから５時起き。３時間しか寝られない。明日、ちゃんと起きる事ができるのか？

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第１章 出発

第１章　出発