Koshin一家のギリシア探索記１８

第１８章　アクロポリスの丘

>アテネ市街の地図（別ウィンドウで開きます）

　朝起きると外は雨だった。しかし朝食を食べているうちに雨はあがり、日が差してきた。

　ホテルを出て、雨上がりの道をアクロポリスに向かう。途中ディオニソス劇場の入り口があったので、まずそこを見学することにした。入場料は５００ドラクマ（約２００円）。
　かなり大きな古代の劇場跡で、背もたれの付いた椅子などが残っている。また舞台部分の土台には、レリーフが刻まれていた。

写真：ディオニソス劇場２

　再びアクロポリスに向かう。劇場を見学している間は暑いぐらいに日が射していたが、歩いているうちに空はどんどん曇ってきた。そしてアクロポリスの切符売り場に着いた頃には、とうとう雨が降りだした。雨は上がったと思っていたので、傘は持ってきていない。とりあえず切符を買い、そのまま切符売り場で雨宿りする。切符代は２０００ドラクマ（約６００円）。

　２０分ほど経って小降りになった頃を見計らって、アクロポリスヘと向う。

　アクロポリスへと登る道は大理石で、雨に濡れてつるつる滑った。途中人が集まって下をのぞいている所があったので覗き込むと、そこから下にヘローデス・アティコス音楽堂が見えた。

写真：前門

　ブーレの門を抜け、ジグザグの参道をのぼり、前門を抜けると、パルテノン神殿が目に飛び込んできた。修復工事中のため足組がされており、中には入れず外から眺めるだけになっている。

　

　パルテノン神殿の右手に建つ、エレクテイオンに向かう。
　乙女の姿をした柱（カリュアーティデス）が６本立っているが、現在ここにある像は模造品で、本体は保護のためにアクロポリス博物館に展示されている。

　建物の裏にまわると、アテネ市をめぐってアテナとポセイドンが争った神話にちなんだ、オリーブの木が植えられていた。写真：オリーブの木（奥はパルテノン神殿）

　アクロポリスの丘の一番奥に展望台がある。ここからごちゃごちゃしたプラカの町並みやシンタグマ広場に建つ国会議事堂、オリンピックスタジアム、ゼウス神殿、そして私たちの泊まっているホテルが見えた。

　パルテノン神殿をバックに写真を撮っていると、また雨が降り出してきた。あわててこの丘に建つアクロポリス博物館に駆け込む。博物館の中は、同じように雨宿りに飛び込んだ人達でいっぱいだった。
写真：アルテミス、アポロン、ポセイドンのレリーフ

　この博物館にはアクロポリスの丘より出土した物が納められているが、パルテノン神殿からのものはほとんど無い。神殿を飾っていたレリーフや彫刻の大部分は削り取られ、イギリス人エルギン伯によってロンドンに運ばれ、現在エルギンマーブルとして大英博物館の目玉商品となっている。エレクテイオンのカリュアーティデスの１体も大英博物館にある。ギリシアは返還を求めているが、イギリスは保護のためと応じていない。私自身は、もうそろそろ里帰りさせてやっても良いのではないかと思うのだが・・・。
（番外：エルギンマーブルへ）

　全て見終わっても、まだ外は土砂降りの雨。博物館の中をもう一周し、小降りになったのを見計らって外に出て、雨がまたひどくならないうちに次の目的地アゴラに向かう。

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第１８章 アクロポリスの丘

第１８章　アクロポリスの丘