Koshin一家のギリシア探索記１５

第１５章　アテネへ

>アテネ市街の地図（別ウィンドウで開きます）

　お昼までは良い天気だったのに、曇りだしてきた。ミコノスを飛び立った飛行機は、雲を避けて少し低いところを飛んでいく。　右手にティノス島、アンドロス島を見ながら、サロニコス湾とは逆のほう、ラフィナの方からアテネへと向かう。

　やがて下に大規模な土木工事をしている所が見えた。新しい空港だろうか、それとも新しい競技場だろうか？飛行機はアテネ市街の真上を突っ切り、そしてエリニコン国際空港へ着陸した。

　荷物をピックアップしてビルの外へ。路線バスは停まっているもののタクシーが見あたらない。他の人達が右手に向かっているのでそちらに行くと、タクシーとそれを待つ人達の長い行列が見えた。
　行列に並んでいる人は、地元の人と観光客が半々。地元の人達が長袖のシャツやジャケットを着ているのに対して、観光客が半袖にサンダル履きといった格好。アテネは島より気温が低く、肌寒い。

　タクシー乗り場では警官が違法タクシーの取り締まりをしていた。ほとんどのタクシーは、免許を見せて２、３言質問されて終わりだったが、中にはどこかにしょっ引かれてれていったり、警官の姿を見つけてＵターンしていくのもいる。
　タクシー待ちの行列に並ぶこと３０分、やっと乗り込み市内へ。車は多いものの渋滞にはあわず、２０分ほどでホテルに到着した。１７００ドラクマ（約７００円）だった。

　ホテルはゼウス神殿（オリンピオン）の真正面に建っているロイヤル・オリンピック。チェックインの時に「神殿の見える部屋をよろしく」と言うと、快くＯＫしてもらえた。またツイン２つの予約だったが、コネクションルームにしてもらえた。

　部屋の雰囲気は、少し古いがごく普通のホテルの部屋だった。しかし眺めは素晴らしく、部屋の中にいながらでも窓から遺跡（ゼウス神殿）が見え、さらにベランダに出てみると、リカベドスの丘や、オリンピック競技場、そして左手にあるビルの上にはパルテノン神殿が眺められた。

　部屋にはクローゼットの中に暗号式のセイフティーボックスがあった。しかし動かない。どうも電気が入ってないようだ。しばらくスイッチか何かないか探していたが見つからず、フロントに聞きに行った。すると「バッテリーが切れているので、この上の階の事務所に金庫があるからそれを使って欲しいと」言われた。

　バスルームは結構広々としていて、ギリシアに来て初めてお湯を出し続けても熱いままだった（島にいる間は給湯器が小さいので、だいたい２人目が使っている途中で水に変わった）。ドライヤーは部屋に付いていなかったのでフロントで借りてきたが、壊れていた。フロントに取り替えに行くと「換えが無い」と言われた。
　・・・なんか、いろいろ壊れているホテルだな～（改装工事をしているようだったが）。

　

　夕飯を食べにプラカに行く。

　目指すお店は、ガイドブックで地元の老舗と紹介されていた「プラタノス」。日本の政府観光局でもらっていた地図を片手に出発。
　アドリアヌス帝の門のあたりでアクロポリス側に道を折れて、プラカ地区へ。そこからすぐの教会ではミサが行われていた。

　プラカ地区はアテネの下町といった感じで、細い道が複雑に入り組んでいる。通りの名前が角ごとに書かれているがギリシャ文字で書かれており、対して地図の方はアルファベット表記で書かれているため、今いる通りが地図の何処だかを探すのに時間がかかる。

　途中道に迷いながら、やっと目的のタベルナに到着。テーブルは店の中と店前の小さな広場に並べてあった。お客は広場のテーブルの方にちらほらと観光客がいる程度。私たちもそちらに座る。足元には餌をねだる野良猫達が３～４匹うろついていた。

　父が変わったものが食べたいと言うので、父を連れてどんな料理があるのか店の厨房まで見に行くことにした。ギリシアでは厨房に見に行くのはかまわないようで、私たちが店の奥に行くと何も言わなくても厨房のある方を教えてくれた。
　厨房には調理済みの前菜や、これから焼こうとしているスブラキやムサカが置かれていた。コックのおじさんが今日のお勧めはシチューとインゲン豆の煮込みだというので、父はシチューを頼み、私はスブラキを頼んで席にもどった。母はムサカ、妹はポークチョップ、そしてタラモサラダを頼む。

　祭日のミサが終わったようで、教会からの帰りらしい家族連れで店の席はどんどん埋まっていく。
　１０才くらいの男の子がやってきて、テーブルを廻って花を売っていた。手回しオルガンを引いたおじいさんもやってきて演奏しはじめた。オルガンが素朴な音色を響かせる。

　料理はどれもおいしかった。特にコックのおじさんのお勧めのシチューは、肉がフォークで崩せるほど柔らかく煮込まれていて味が十分しみておいしかった。

写真：海綿を売る土産物屋

　さて精算をお願いしてから、手持ちの現金が少なかったことに気が付いた。クレジットカードとトラベラーズチェックはあるが、使えるだろうか？
　会計は１１、０００ドラクマ（約４４００円）だった。手持ちの現金でなんとか足りた。しかし４人で食べてこの値段は安い！ちなみにカードはやっぱり不可との事だった。

　店を出てホテルへと向かう。プラカのお土産物や貴金属店は２２時前にもかかわらず、まだ営業を続けている店も多かった。

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第１５章 アテネへ

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