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Last update : 25/07/'04
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アルバニア１日探索記　６

スカンデルベクスカンデルベク

　再びメインストリートに戻り、丘側に入った道の途中にある民芸品店へ。素焼きの壺や絵皿、民族衣装を着た陶器の人形などが棚に飾られている。人形の顔つきがキツくて私は好みでは無かったが、他のツアーのおばさん達はかわいいと数個買っていた。あとツアーの皆さんに人気があったのは国旗をデザインした、真っ赤な地に黒で鷹を描いたＴシャツ。

　ここもユーロで支払い可との事なので、私も何かアルバニアの記念になりそうな物を探す。棚の奥の方に埃をかぶった直径１０ｃｍほどの鋳物のプレートが立て掛けてあった。プレートの縁の部分はアラベスク状になっていて、真ん中には赤地をバックに中世の鎧を着た人物の乗馬姿が描かれていた。そういえばアルバニアで、オスマン・トルコに抵抗した人がいたっけ・・・
　ガイド氏に、「この人ってオスマン・トルコ軍に勝った人ですよね？」聞くと、ちょっと嬉しそうに「そうですよ、スカンデルベクという名のアルバニアの英雄です。アルバニアを統一した人です。」と答えた。
　値段は２０００レク＝１８ユーロ。
行方不明？

　この店を出た後は自由行動。ツアーのおばさんの一人に「私たちと一緒に廻らない？」と誘われたので、御一緒させてもらうことにした。リバプールから来た夫婦２組と誘ってくれたおばさんの５人のグループで、おばさんは昔カナダに住んでいたことがあり、その時に日本人の女の子がホームステイしていたそうだ。
　土産物屋の近くにあった食料品店に入る。缶ジュース１本100レクと、物価はあまり安くない。おばさん達はアルバニアの酒（無色透明なアルコール度数の高い酒。名前忘れた）を数本買っていた。今晩ホテルで飲むらしい。

　ぶらぶら歩いて海岸まで来ると１件のカフェがあり、集合時間までまだあるし、ユーロが使えるとの事なので、そこでお茶することになった。結構広い店内に大きなＴＶも置かれており、いわゆる「スポーツバー」のようだった。夕方５時前という中途半端な時間のせいか、客は私たちだけだった。オーダーは全員エスプレッソ。出てきたものは真っ当なエスプレッソだった。あのツアーで連れて行かれた店のコーヒーの不味さは何だったんだ！
　ウェイターの若い男性の英語が上手かったのでどこで習ったのか聞いてみると、リバプールに出稼ぎしていたらしい。「私たちリバプールから来たのよ」とおばさん達。それからどこぞかの店の話やサッカーチーム（＝要するにプレミアのリバプール）の話など、超ローカルな話題でお互い盛り上がっていた。

　おばさんの一人が港までの道順を聞いていたので何でだろうと思っていた。５時半を廻ったので店を出て、海岸に出て右へと歩きだした。え？バスの待っているレストランは左だよ？
　「これからどこ行くんですか？」
　「６時に港に集合でしょ？　港はこっちだって。」
え？最初は港って言ってたけど、結局バスに集合になったんじゃなかったっけ？・・・と思ったが、あちらは５人、こちらは１人、英語が母国語の人の言うことだし、私が聞き取り間違いしたのかなあと、そのまま右へと従った。

　サランダ湾を反時計回りに１０分ほど歩くと、港の入口ゲートに到着。係員に呼ばれてゲート脇の係員詰め所（出入国事務所？）へ。そこで船を降りるときに回収されていたパスポートを返してもらった。う〜ん、港で合ってたのかなあ？
　ツアーの他の人はまだ誰もいなかった。「私たちが一番最初みたいね。」とおばさん達。サランダ湾の海岸線はきつめの弧を描いているため、港からさっきいたカフェも昼食をとったレストランも見える。レストランの前にはツアーのバスが停まっているように見えるんだが・・・

サランダの町
　１０分待っても、２０分待っても、ツアーの人は誰も港に来なかった。ツアーバスらしきものは、まだレストランの前に停まったまま・・・私らを待ってるんじゃないかなあ。
　「もしかして集合先はバスだったんじゃないでしょうか？」とチラっと言ってみると、５人ともから「港と言ってたよ」との答えが。「船に乗るんだから、そのうちここに来るわよ。」

　そして３０分経っても誰も来ず、代わりに来たのはゲートにいた出入国係官。慌てた様子で私らに話しかけてくるが、アルバニア語なんで分からない。どうも私ら以外がなぜ港に戻ってこないんだと聞いているようだ。おばさんが達が「そのうち来るよ。」と英語で答えるものの、向こうも英語が解らない。

　外国人２０名近くが行方不明という事で、係官が慌て始める。いや、そんな大事じゃないんです、多分私らが集合場所を間違えただけなんですと伝えたいものの、話が通じない。
　結局アルバニア語とギリシャ語の分かる人と、ギリシャ語と英語が分かる人が間に入って通訳してもらい、レストランに確認をとってもらうことになった所で、ちょうどツアーバスがやってきた。
　ガイドさんがバスから降りてきて、私たちに向かって、
　「探しましたよ〜」
　やっぱり集合場所はバスだったらしい。

　船が到着するまで他のツアー客と立ち話。私がイギリスではロンドンとバースとカーディフに行ったと話すと、
　「カーディフ？　彼カーディフから来たのよ。ちょっといらっしゃいな。彼女（私）カーディフに行ったことあるんですって。」と呼ばれて来たのは、ブトリントで話しかけられた、英語なんだけど何言ってるかわからないおじさんだった。あの言葉はウェールズ語だったようだ。

　やがて船がやってきて乗船。またパスポートを集められ、そして出発。行きと同じく２０分ほどでコルフ島に到着した。
　船を下りる際、ツアー客のほとんどがパスポートを返してもらえたが、私のは係員に「事務所に取りに来て」と言われて返してもらえなかった。他に返してもらっていないのはインド人のご夫婦と中国系の女の子、そしてアルバニアの人たち。どうも返してもらえなかった人達はEU国籍外の人たちのようだ。

　港のすぐ前にある事務所に行くと、パスポートにEU入国のハンコを押して返してくれた。いつもはEU入国のハンコは飛行機マークなんだが、船のマークになっていてちょっとかわいい。

　事務所を出ると、ちょうどツアーの送迎バスが発車する所だった。私の宿はコルフタウンの中のため、ここでお別れ。バスに乗っているツアーの人たちみんなが手を振ってくれた。
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